「んっ…あぁ………たろ、さん…!」
「………っ、」
部屋に溢れる甘い喘ぎ声。ベッドの軋む音が響く。
…ったく、可愛い顔しやがって…。もっと犯してやりてぇ。
「……あ、ダメ……はげ、し…あん」
「イキたきゃイケよ…」
「はぅ!……あ、んっ。あぁぁっ…!」
可愛く泣くその姿に欲情して一緒に果てた。
「むぅー……」
が、いつもなら事が終わってからは俺とベッドの中で仲良く過ごすのに。
俺が近付くどころか、ベッドから離れた所にあるソファーに座って俺を睨んでいる。
しかもその格好が俺のパジャマの上着一枚。(下着は履いているものの、サイズがデカイからミニのワンピースみたいで…)
襲うぞ…。
「おい、!てめぇそんな身体で座ってないでこっちに来い」
「……むぅ…」
「っ……」
そんな可愛い顔で膨れたって怒ってるようには見えないが…。こりゃ、怒ってるんだよな?
えーっと何かしたか?あ、さっきのでやりすぎたとか?いやそんなことはねぇ!いつもより控え目にやったし…。ってコレじゃないとしたら何だ?
「はぁ…分かった。わぁーったから、そんな顔で俺を見るな!」
「…太郎さんは私の事、なんとも思ってないのね」
「あぁ?何言ってやがる、今さっきまで愛してやっただろうが」
いつもならココで顔を真っ赤にして恥ずかしそうにするんだが…。って!目が潤んで、泣いてんのか?!誰が泣かしたぁ!?……って俺しかいないか。
俺が慌ててお傍に行くと、は必死に唇をかみしめていた。
「なっ何で泣くんだよ!理由を言え」
「…太郎さんが悪いんじゃない!」
ヤバイ…。コイツのこの目は本気だ。
「だから、泣くなって…」
「泣いてないもん…。…恋人同士なのに…休みになる度にコレで。まだデートもしてないのよ!?」
そういや、そうだったか…?まさか、それで怒ってるのか?!
「太郎さんは私の体だけが目的なの!?」
「そんな事ある訳ねぇだろうが!」
「じゃあ、何でデートにも誘ってくれないの!?」
大粒の涙をポロポロ流している。
ったく…生徒よりも扱いがややこしい…。にしても、そんな事思ってたのか…。
「あぁー!」
泣きじゃくるを抱き締めて頭を撫でる。
「もう泣くなよ…。別にそんなつもりで抱いてたんじゃねぇよ」
「……太郎さん?」
「お前は学校でも遅くまで残ってやがるし、生徒には甘いし…。休みくらいお前を独り占めしたいだろ?」
「………!」
俺に余裕がねぇのもあるが…不安にさせていたか。
「悪かったな…」
「……ん」
優しく口付けすると、いつものように赤くなって…。
か…可愛いじゃねぇか。
「体、大丈夫か?」
「…大丈夫じゃない」
「ったく…」
素直に横になってりゃいいのに…。って俺のせいか。
軽々と抱き上げてベッドまで運んでやる。
んー?また軽くなったか?……これも俺のせいじゃないだろうな。
「明日はさすがに辛いだろうから…来週出かけるか?」
「…本当?」
「あぁ。デートに行きてぇーんだろ?」
「行きたいっ」
本当、子供のように目をキラキラさせて喜んでいる。
「じゃあ、行きたい所に連れてってやる。だから、泣くなよ」
「…うん」
「ってぇ事で、また今から愛し合うか」
「えっ!?」
そんな格好でいたら食いたくなるだろう?
「だっだめ!もう体がボロボロなの!」
「そりゃ聞けねーなぁ」
「太郎さん!」
……唇をかみ締めて潤んだ瞳で俺を見ている。
「逆効果だっつーの」
「いーやぁぁぁ!」
朝方までじっくり愛されてしまいました。
「あっ……」
「ん?なんだぁ?」
「なっ何でもない」
「あぁ?この指輪欲しいのか?」
「ううん、欲しくない」
全然説得力ねぇし…。
と手を繋いで恋人らしく寄り添って、買い物にも付き合って…。目をキラキラさせるを見つめて…こういうのもたまにはいいかもしれない。
「コレくれ」
「たっ太郎さん?!」
「あぁ?顔には『欲しい』って書いてあるんだ。黙って買われてろ」
思いっきり遊んで、また仕事して…そして愛し合って…。
それもまた悪くない。